夏目漱石 『草枕』 輪廓は次第に白く浮きあがる。 今一歩を踏み出せば、せっかくの嫦娥が、あわれ、俗界に堕落するよと思う刹那に、緑の髪は、波を切る霊亀の尾のごとくに風を起して、莽と靡いた。 渦捲く煙りを劈いて、白い姿は階段を飛び上がる。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア