焦茶の砂壁に、白い象牙の軸が際立って、両方に突張っている、手前に例の木蘭がふわりと浮き出されているほかは、床全体の趣は落ちつき過ぎてむしろ陰気である。
「徂徠かな」と和尚が、首を向けたまま云う。
「徂徠もあまり、御好きでないかも知れんが、山陽よりは善かろうと思うて」
焦茶の砂壁に、白い象牙の軸が際立って、両方に突張っている、手前に例の木蘭がふわりと浮き出されているほかは、床全体の趣は落ちつき過ぎてむしろ陰気である。
「徂徠かな」と和尚が、首を向けたまま云う。
「徂徠もあまり、御好きでないかも知れんが、山陽よりは善かろうと思うて」