すべてを葬る時の流れが逆しまに戻って古代の一片が現代に漂い来れりとも見るべきは倫敦塔である。
人の血、人の肉、人の罪が結晶して馬、車、汽車の中に取り残されたるは倫敦塔である。
この倫敦塔を塔橋の上からテームス河を隔てて眼の前に望んだとき、余は今の人かはた古えの人かと思うまで我を忘れて余念もなく眺め入った。
すべてを葬る時の流れが逆しまに戻って古代の一片が現代に漂い来れりとも見るべきは倫敦塔である。
人の血、人の肉、人の罪が結晶して馬、車、汽車の中に取り残されたるは倫敦塔である。
この倫敦塔を塔橋の上からテームス河を隔てて眼の前に望んだとき、余は今の人かはた古えの人かと思うまで我を忘れて余念もなく眺め入った。