夏目漱石 『倫敦塔』 この倫敦塔を塔橋の上からテームス河を隔てて眼の前に望んだとき、余は今の人かはた古えの人かと思うまで我を忘れて余念もなく眺め入った。 冬の初めとはいいながら物静かな日である。 空は灰汁桶を掻き交ぜたような色をして低く塔の上に垂れ懸っている。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア