夏目漱石 『倫敦塔』 少し行くと左手に鐘塔が峙つ。 真鉄の盾、黒鉄の甲が野を蔽う秋の陽炎のごとく見えて敵遠くより寄すると知れば塔上の鐘を鳴らす。 星黒き夜、壁上を歩む哨兵の隙を見て、逃れ出ずる囚人の、逆しまに落す松明の影より闇に消ゆるときも塔上の鐘を鳴らす。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア