二十
藤井というのは津田の父の弟であった。
広島に三年長崎に二年という風に、方々移り歩かなければならない官吏生活を余儀なくされた彼の父は、教育上津田を連れて任地任地を巡礼のように経めぐる不便と不利益とに痛く頭を悩ましたあげく、早くから彼をその弟に託して、いっさいの面倒を見て貰う事にした。
二十
藤井というのは津田の父の弟であった。
広島に三年長崎に二年という風に、方々移り歩かなければならない官吏生活を余儀なくされた彼の父は、教育上津田を連れて任地任地を巡礼のように経めぐる不便と不利益とに痛く頭を悩ましたあげく、早くから彼をその弟に託して、いっさいの面倒を見て貰う事にした。