自分もいざとなると貸して貰う性分ではなかった。
「緩慢なる人生の旅行者」と兄を評した彼は、実を云うと、物質的に不安なる人生の旅行者であった。
そうして多数の人の場合において常に見出されるごとく、物質上の不安は、彼にとってある程度の精神的不安に過ぎなかった。
自分もいざとなると貸して貰う性分ではなかった。
「緩慢なる人生の旅行者」と兄を評した彼は、実を云うと、物質的に不安なる人生の旅行者であった。
そうして多数の人の場合において常に見出されるごとく、物質上の不安は、彼にとってある程度の精神的不安に過ぎなかった。