夏目漱石 『明暗』 廂を深くおろした鳥打を被ったまま、彼は一応ぐるりと四方を見廻した後で、懐へ手を入れた。 そうしてそこから取り出した薄い小型の帳面を開けて、読むのだか考えるのだか、じっと見つめていた。 彼はいつまで経っても、古ぼけたトンビを脱ごうとしなかった。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア