夏目漱石 『明暗』 津田君は何にも云わずに、二カ月以上もかかってまだ読み切れない経済学の独逸書を重そうに畳の上に置いた。 「寝ていて読むにゃ重くって駄目だよ」 こう云った津田は、それがこの大部の書物を残して行く正当の理由であると知りながら、あまり好い心持がしなかった。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア