中ぶらりんの心的状態でそこに取り残された津田は、黙ってその後姿を見送った。
いったん小路の中に隠れた俥がやがてまた現われると、劇しい速力でまた彼の待っている所まで馳けて来た。
それが彼の眼の前でとまった時、車上のお延は帯の間から一尺ばかりの鉄製の鎖を出して長くぶら下げて見せた。
中ぶらりんの心的状態でそこに取り残された津田は、黙ってその後姿を見送った。
いったん小路の中に隠れた俥がやがてまた現われると、劇しい速力でまた彼の待っている所まで馳けて来た。
それが彼の眼の前でとまった時、車上のお延は帯の間から一尺ばかりの鉄製の鎖を出して長くぶら下げて見せた。