親身の叔母よりもかえって義理の叔父の方を、心の中で好いていたお延は、その報酬として、自分もこの叔父から特別に可愛がられているという信念を常にもっていた。
洒落でありながら神経質に生れついた彼の気合をよく呑み込んで、その両面に行き渡った自分の行動を、寸分違わず叔父の思い通りに楽々と運んで行く彼女には、いつでも年齢の若さから来る柔軟性が伴っていたので、ほとんど苦痛というものなしに、叔父を喜こばし、また自分に満足を与える事ができた。
叔父が鑑賞の眼を向けて、常に彼女の所作を眺めていてくれるように考えた彼女は、時とすると、変化に乏しい叔母の骨はどうしてあんなに堅いのだろうと怪しむ事さえあった。