多年の多忙と勉強のために損なわれた健康を回復するために、当分閑地についた昨今の彼には、時間の余裕も充分あった。
その時間の空虚なところを、自分の趣味に適う模細工で毎日埋めて行く彼は、今まで自分と全く縁故のないものとして、平気で通り過ぎた人や物にだんだん接近して見ようという意志ももっていた。
これらの原因が困絡がって、叔父は時々藤井の宅へ自分の方から出かけて行く事があった。
多年の多忙と勉強のために損なわれた健康を回復するために、当分閑地についた昨今の彼には、時間の余裕も充分あった。
その時間の空虚なところを、自分の趣味に適う模細工で毎日埋めて行く彼は、今まで自分と全く縁故のないものとして、平気で通り過ぎた人や物にだんだん接近して見ようという意志ももっていた。
これらの原因が困絡がって、叔父は時々藤井の宅へ自分の方から出かけて行く事があった。