久しぶりに父母の顔を見に帰ったお延は、着いてから二三日して、父に使を頼まれた。
一通の封書と一帙の唐本を持って、彼女は五六町隔った津田の宅まで行かなければならなかった。
軽い神経痛に悩まされて、寝たり起きたりぶらぶらしていた彼女の父は、病中の徒然を慰めるために折々津田の父から書物を借り受けるのだという事を、お延はその時始めて彼の口から聞かされた。
久しぶりに父母の顔を見に帰ったお延は、着いてから二三日して、父に使を頼まれた。
一通の封書と一帙の唐本を持って、彼女は五六町隔った津田の宅まで行かなければならなかった。
軽い神経痛に悩まされて、寝たり起きたりぶらぶらしていた彼女の父は、病中の徒然を慰めるために折々津田の父から書物を借り受けるのだという事を、お延はその時始めて彼の口から聞かされた。