そうしてお延は夫を除けば全く自分自身の主人公であった。
しかしお秀はこの問題に関聯してこの相違すら考えなかった。
お秀がお延から津田の消息を電話で訊かされて、その翌日病院へ見舞に出かけたのは、お時の行く小一時間前、ちょうど小林が外套を受取ろうとして、彼の座敷へ上り込んだ時分であった。
そうしてお延は夫を除けば全く自分自身の主人公であった。
しかしお秀はこの問題に関聯してこの相違すら考えなかった。
お秀がお延から津田の消息を電話で訊かされて、その翌日病院へ見舞に出かけたのは、お時の行く小一時間前、ちょうど小林が外套を受取ろうとして、彼の座敷へ上り込んだ時分であった。