夏目漱石 『明暗』 ただ微かに薄笑の影を締りの好い口元に寄せて見せた。 それがいかにも兄に打ち勝った得意の色をほのめかすように見えるのが津田には癪だった。 平生は単に妹であるという因縁ずくで、少しも自分の眼につかないお秀の器量が、こう云う時に限って、悪く彼を刺戟した。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア